カットのクセを明確化する！美容師講習

１、前半コースと後半コース

日本カットアカデミーの講習は前半コース後半コースに分かれていて、前半コースでは主に基礎的なトレーニングを、後半コースではスタイル作りをします。

基礎は今更必要ないから、後半コースのみ参加できないか？という方が多くいらっしゃいます。

ですが前半コースを飛ばして後半コースのみの受講はお断りをしています。

なぜならヘアスタイルを迷いなく、無駄なくカットするためには基礎がとても重要になるからです。

それはカットのキャリアが短い方も、長い方であってもです。

カットを1度もしたことのない時の基礎トレーニングは、初めてのことだらけで１つ１つすべてを吸収しようと一生懸命になります。

ですがすでに基礎トレーニングを修得している場合は、面白みや必要性を感じなかったりします。

それは基礎トレーニングでカットするスタイルが、そのままお客様に提供できるスタイルではないことがほとんどだからです。

だから基礎は飛ばしてスタイル作りだけをみにつけられればいい！

ですが普段のサロンワークでこんな風に感じたことはありませんか？

いつも右が長くなるなぁ…。

いつも左バックサイドに厚みが残ってしまうなぁ…。

左右のフォルムが違うなぁ…。

こういったことは基礎をあらためて見直すことで解消できることがほとんどです。

スタイルを作った時、左右違うという結果はわかっているけど、原因がわからない。

何度もハサミを入れ直して、左右のバランスを整えていく…。

左右差がうまれる原因は姿勢・目線の位置・パネルの引き出し方等々ありますが、日々カットしていると自分のクセに気付くことが出来なくなってしまいます。

なのでそこで基礎トレーニング。

講師がお一人お一人のサポートに入って、左右差がうまれる原因を一緒に探っていきます。

あ、右は目線が高くなっていたんだな。

こっちはパネルを手前に引きすぎてしまっていたんだな。

こんな風に基礎トレーニングと真剣に向き合うことで、気づきがたくさん出てきます。

自分のクセが明確になることで無駄な手数もなくなり、結果としてカットタイムの短縮につながったり、よりバランスの取れたスタイルを作ることが出来ます。

基礎のトレーニングってなんだか地味で、かつそのままではなかなかお客様に使うことはできないからおもしろくない。

と、思われがちな基礎トレーニング。

ですが基礎でしっかり技術のベースを整えることで、スタイル作りがよりスムーズになります。

どんな目的をもってそのことに向き合うか。

その意識があるかないかで得られるものは随分変わってきますね！

著者　日本カットアカデミー　安澤智美