1、ウルフカットへの不安
最近トレンドスタイルに動きが出てきましたね。
長く続いたボブブームが少し落ち着いて、「ウルフカット」をよく目にするようになってきました。
段差のあまりないスタイルから一変、段差のあるウルフカットの需要が増えてきていることで、どうやってカットしたらいいのかわからずに、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
トレンドスタイルは、お客様からのオーダーも多い分、カットする機会が多いのでパターン化しやすくなりますよね。そうすると、あまり考えなくてもなんとなくそのスタイルを作ることができてしまいます。
しかし、普段あまりカットしないスタイルをお客様にオーダーされたときに、ハッとして、これはいったいどうしたらいいんだろう?!と戸惑ってしまう…。
トレンドというものは、移り変わるものです。そしてお客様のおこのみも、変わりゆくもの。
どんなスタイルをオーダーされても、迷うことなく自信をもってカットできる自分でありたいですよね。
この記事では、最近需要の増えてきているウルフカットの切り方を紹介します。
日本カットアカデミーの、「RPC理論」でカットを進めていきます。
この理論は、同じ切り方手順でショート~ロングまで幅広いデザインをカット出来ます。
RPC理論を身に付けて、慣れないウルフカットも、迷わずハサミを動かせる自分を手に入れましょう!
RPC理論を学べる講習はこちらをご覧ください。
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2、3つのステップ「RPC理論」
RPC理論は、以下の3つのステップでスタイルを作っていきます。
①アウトライン
②段を入れる
③コーナーチェック
この3つのステップに沿って、こちらのウルフカットを作っていきましょう!
2-1アウトライン
まずは前髪をわけとります。前髪は最後にカットします。
作りたいデザインによって、横幅と奥行きを設定して、わけとりましょう。
今回は横幅を目尻、奥行きを頭頂部の約指2本分うしろとします。
つづいてアウトラインを設定します。
長さを決めるポイントは以下の3つです。
①サイドの始まり(前髪の隣の髪の毛)
表面に段を入れた際の、段の始まりとなる長さです。
設定した長さの2~3センチ上にボリュームが出ます。なので段を入れた際に、どこにボリュームを出したいかを考えて、長さ設定をします。
今回は、鼻と口の間にボリュームを出したいので、2~3センチ下のあごの長さで設定します。
②サイドの終わり(耳後ろの髪の毛)
正面から見たときに、一番長い髪の毛です。
髪の毛を前に持ってきてとかしおろした時に、どのくらいの長さでありたいかで設定します。
今回は、肩下4~5センチの長さで設定します。
③バックセンター
うしろの真ん中の長さです。
うしろから見たときに、どのくらいの長さでありたいかで設定します。
今回は、肩下10センチの長さで設定します。
それぞれ3つの長さの点を、真下にとかしおろした状態(ダウンステム)で、繋いでいきます。アウトラインの完成です。
※動画内の表記が「GPS理論」となっておりますが、現在は「RPC理論」に改名しております。ご了承ください。
2-2段を入れる
まずは頭頂部の約指2本分うしろのRPの長さを設定します。
つづいてバックのセンターから、RPと生え際をつなぐ放射状スライスをとって、段を入れていきます。
①RPの長さ設定
RPの長さは、スタイルを横から見たときのボリュームの位置を決めるものとなります。
設定した長さの2~3センチ上にボリュームが出ます。なので、横から見た際にどの位置にボリュームを出したいかを考えて、長さ設定をします。
また、サイドの始まりの長さとのバランスで、表面にでるレイヤーライン(段のライン)が決定します。
サイドの始まりの長さよりも、RPが長ければ、後ろ下がりのレイヤーラインに。
サイドの始まりの長さと、RPの長さが同じであれば、床平行のレイヤーラインに。
サイドの始まりの長さよりも、RPの長さが短ければ、前上がりのレイヤーラインに。
表面に出てくるレイヤーラインをどのようにしたいかも同時に考えて設定をします。
今回は、横から見たときに、鼻と口の間にボリュームを出して、床平行のレイヤーラインを出したいので、あごの長さで設定します。
カットする際は、オンザベースに引き出してカットしましょう。
②放射状スライスで段を入れる
RPの設定をしたら、バックのセンターから段を入れていきます。
RPを中心とした生え際までの放射状スライスをとります。
次に、わけとったパネルを3等分して、下の3分の1のところは下に下ろします。
RPから3分の2までの三角ベースを、オンザベースになるように根元からしっかりとシェープして、RPの髪と3分の2の恥の髪の毛をつなぎます。
つなぐ際は、頭の丸みと同じ丸みを帯びたラインでつなぎましょう。
RPとイヤーポイント(耳後ろのポイント)をつなぐラインを、バックとサイドの境とし、それぞれ3パネルずつを目安として同じように切り進めます。
※動画内の表記が「GPS理論」となっておりますが、現在は「RPC理論」に改名しております。ご了承ください。
2-3コーナーチェック
全て段を入れたら、それぞれのパネルの3分の2と3分の1の間にあるコーナーをカットします。
バックとサイドのコーナーチェックにはそれぞれの役割があるので、スタイルに合わせてコーナーチェックを変えます。
①バックのコーナーチェック=フォルムのコントロール
バックのコーナーをどのようにカットするかで、横からスタイルを見たときのフォルムが変わります。
バックのコーナーチェックには3種類あります。
1、コーナーチェックなし
コーナーチェックをしないと、コーナーが残った状態なので、後ろに膨らんだ重たいフォルムになります。
2、丸くつなぐ
RPから生え際までを、頭の丸みに沿うような丸いラインでコーナーチェックすると、自然な丸みのフォルムになります。
3、直線でつなぐ
RPから生え際までを、直線でつなぐようにコーナーチェックすると、すっきりとえぐれたフォルムになります。
②サイドのコーナーチェック=レイヤーラインのコントロール
サイドのコーナーをどのようにカットするかで、表面のレイヤーラインが変わります。
サイドのコーナーチェックには2種類あります。
1、コーナーチェックなし
コーナーチェックをしないと、コーナーが残った状態なので、表面のレイヤーラインは、
下に丸く重たいレイヤーラインになります。
2、丸くつなぐ
RPから生え際までを、頭の丸みに沿うような丸いラインでコーナーチェックすると、表面のレイヤーラインは、直線のレイヤーラインになります。
今回のバックは、えぐらせたラインにしたいので、直線でコーナーチェックします。
サイドは、表面のレイヤーラインを直線にしたいので、丸くコーナーチェックします。
※動画内の表記が「GPS理論」となっておりますが、現在は「RPC理論」に改名しております。ご了承ください。
3、バングカット
今回は仕上がりの長さが目の上ギリギリになるようにカットします。
ダウンステムで正面に引いて、直線でカットしましょう。
前髪は全体のイメージを左右する大切な部分です。
そこで注意したいのが、髪の毛は濡れている時は伸びて、乾いた時に縮む習性があるということです。
乾いた状態でカットする際は仕上がりのライン通りでテンションをかけずにカットしましょう。濡れた状態でカットする際は、縮むことを考慮して、長めに設定しましょう。
ダウンステムでカットしたら、動きと軽さを出すために、段を入れます。
三角ベースを真ん中に寄せ集めるようにシェープして、90度に引き出します。そうすると、ラインが斜めに出てくるので、90度に引き出したパネルに対して、切り口がスクエアになるようにカットします。
表面に段が入って、軽さと動きを出すことができます。
※動画内の表記が「GPS理論」となっておりますが、現在は「RPC理論」に改名しております。ご了承ください。
4、まとめ
RPC理論でカットをすすめると、この3つのステップでスタイルを作ることが出来ます。
作りなれていないウルフカットも、このステップで切り進めれば、迷うことなくスタイルを作ることができます。
また、どんなスタイルも、この3ステップにあてはめればスタイルを作ることが出来るので、トレンドが変わったときも、切りなれないスタイルをお客様にオーダーされたときも、迷うことなくカットすることが出来ますね!
どんなスタイルにも自信をもって対応できる自分を手に入れましょう!
現在募集中の講習は、こちらをご覧ください。
参考:基礎から学べる!カット講習 東京・名古屋・大阪・福岡開催情報!
著者 日本カットアカデミー 安澤智美